
「日本で最も美しい村」のひとつ、那珂川町・小砂地区で約200年にわたり焼き継がれてきた「小砂焼」。
その始まりは1830年、水戸藩主・徳川斉昭がこの地の良質な陶土を藩営製陶所の原料に用いたことに遡ります。代名詞は、金色にきらめく独特の釉薬「金結晶」。素朴な土の風合いの中に上品な黄金の斑点が浮かび上がる様は、伝統工芸ならではの静かな気品を放ちます。
この黄金の伝統も今、現代の感性を取り入れて軽やかにアップデートされています。近年注目を集めているのは、これまでの重厚なイメージを覆すパステルピンクや爽やかなペールトーンの器。伝統の「金結晶」をアクセントに残しつつ、現代の食卓に溶け込む柔らかな色彩を取り入れることで、若い世代からも愛される存在へと進化を遂げました。
数件の窯元が守り続ける技に、新鮮な感性が加わった現在の小砂焼。春と秋の陶器市を訪れれば、歴史ある名品からモダンな一皿まで、多彩な表情に出会えます。豊かな里山の風景を楽しみながら、あなただけのお気に入りを探す旅に出かけてみませんか。