
日光市発祥の「日光下駄」は、桐の下駄台に竹皮で編んだ草履を麻糸で縫い合わせた履物です。
起源は江戸時代。格式を重んじる神社仏閣では草履での参拝が基本でしたが、境内の砂利道や坂道、冬の雪道では歩きにくかったため、草履の下に下駄を付けた「御免下駄」が生まれました。
明治時代になると実用性が高められ、現在の「日光下駄」と呼ばれる形になったといわれています。
下駄台が「八」の字に開いているのは、雪がつきにくく、砂利道や坂道でも安定して歩けるよう工夫されたもの。
そこには、当時の人々の切実なニーズと、それを解決しようとする豊かな知恵が詰まっており、知れば知るほどその合理性に感銘を受けます。
天然の竹皮で編まれた草履部分は吸収性・保存性に優れ、夏は涼しく冬は暖かい履き心地で、季節を問わず快適に使えるのが特徴です。
株式会社中川政七商店が主催し、地域のメーカーとデザイナーが協働で生み出したプロダクトを表彰する「地産地匠アワード」で、日光下駄をファッショナブルにアップデートした「ATSUZOKO」が2025年の審査員奨励賞を受賞しました。
若者のファッション“厚底靴”から着想を得たもので、下駄台の厚さは8cm。
サイドには組子を施すなど、デザイン性の高さも特徴です。