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ワークライフバランスがとれるとちぎで就職。

先輩インタビュー

2025.12.18

#文系#広告・出版・メディア

身近なニュースを深く、そしてわかりやすく

稲葉 雄大(いなば ゆうだい)さん
栃木県出身|栃木県在住
県外大学(外国語学部)に進学後、栃木県にUターン

株式会社下野新聞社
報道部 産業金融農業グループ

地域の経済を日々取材する稲葉さん。読者である県民の生活に密着した情報を届けることに、大きなやりがいを感じていると話します。故郷である栃木で、記者として、そして一人の生活者として働くことの魅力について伺いました。

多くの人の生活に直結する、経済の今を伝える

現在の仕事内容について教えてください。

報道部の産業金融農業グループという部署で、県内の民間企業や金融機関、県や市町の産業振興に関わる部署などを担当しています。企業の新しい取組や新商品の発表会、地域経済の動向、行政の新しい政策などを取材し、記事にしています。

日々、経済の最前線に触れているのですね。その中で、どのようなときにやりがいを感じますか?

経済のニュースというと、少し堅苦しいイメージがあるかもしれませんが、取材を重ねるほど、実は私たちの生活にとても密着している分野だと実感します。例えば、自分が普段よく利用する店は、どのような企業が、どのような戦略や思いを持って運営しているのか。その裏側にあるストーリーや人々の情熱に触れられるのが、この仕事の面白いところですね。知っているようで知らなかった地域の姿が見えてきます。
下野新聞は、紙媒体だけでなくデジタルにも力を入れています。自分の書いた記事がデジタルサービスで多くの人に読まれ、アクセス数という具体的な数字で反響が分かると、県民の皆さんの関心の高さがダイレクトに伝わってきて、大きな手応えとやりがいにつながります。記事が何万、何十万というPV(ページビュー)を記録することもあり、紙媒体とはまた違ったリアルタイムな反応が返ってくるのは、現代のジャーナリズムならではの楽しみだと感じています。

地方紙の経済記者として、仕事をする上で大切にしていることは何ですか?

常に意識しているのは、専門的な経済ニュースを、いかに多くの県民読者の皆さんに分かりやすく伝え、関心を持ってもらうかということです。経済専門紙のように、もともと関心が高い読者だけを対象にしているわけではないためです。取材の際には、専門用語を「もし一般の人に伝えるとしたら、どのような言葉で表現すれば良いですか」と取材先に尋ねたり、「このように書いても、専門家の視点から見て間違いになりませんか」と、表現一つでニュアンスが変わってしまわないかを確認したりします。専門家と読者の皆さんとの間にある知識の溝を埋める、いわば“橋渡し”のような役割を大切にしたいと思っています。

多くの人の生活に直結する、経済の今を伝える

仕事と子育ての両立を支える、柔軟な働き方

職場の雰囲気や働きやすさはいかがですか?

人間関係にとても恵まれてきたと感じています。特に入社1年目で支局に配属された時のことは印象深いですね。当時のデスクの方々が本当に親身になって指導してくださいました。記事の書き方について「こうしたらもっと良くなるよ」と具体的にアドバイスをくれたり、校正した原稿を返す際に手書きのコメントを添えてくれたりしました。右も左も分からなかった私を、一人の社会人として尊重し、成長させようとしてくれる温かさが本当にありがたかったです。その時の経験が、今の私の仕事のベースになっています。
勤務形態は裁量労働制なので、自分の裁量で働き方を柔軟に組み立てられるのは大きなメリットです。夜遅くまで取材が入ることもありますが、その分、翌朝は少しゆっくり出社したり、逆に朝早くから動いた日は夕方早めに仕事を切り上げたりもできます。これは特に、子育て中の身として非常に助かりますね。例えば、共働きの妻の都合がつかないときに私が保育園に迎えに行かなければならなくても、「勤務時間だから無理」ということにはなりません。一度職場を抜けて迎えに行き、その後は自宅で作業を続ける、といったことも可能です。

育児休業を取得した経験があるそうですね。

3歳の長男と1歳の長女がいます。長男の頃はまだ男性で育休を取る人が少なかったのですが、長女の時には取得するのが当たり前という雰囲気になっていました。ここ数年で大きく変わったと感じます。会社全体で、育児や介護といった家庭の事情と仕事との両立を支えていこう、という意識が高まっているのを感じます。社会の変化に合わせて、社員が安心して長く働ける体制をどうつくるか、編集局の内部でも常に検討が重ねられています。これは働く上で大きな安心感につながっていますね。

今後のビジョンを教えてください。

先輩方から教わってきた多くのことを、今度は後輩たちにしっかりと伝えていく役割を担っていきたいです。取材力や記事の質を組織全体で維持し、さらに高めていくために自分には何ができるのか。通常業務に加えて、人材育成という視点も持ちながら仕事に取り組んでいきたいと考えています。

仕事と子育ての両立を支える、柔軟な働き方

故郷だからこそ感じられる、仕事の魅力と暮らしやすさ

休日はどのように過ごされていますか?

今は「趣味は子育て」という感じです(笑)。休みの日は子どもたちと遊ぶことが生活の中心ですね。家事や育児は妻と協力してやっています。独身の友人に「結婚生活はどう?」と聞かれますが、今の生活がすごく充実していて楽しいです。何より、子どもたちの成長を間近で見られるのが本当にうれしい。仕事から帰って子どもと過ごす時間が一番の癒やしです。子どもたちが寝静まった後に、一人でお酒を飲みながら映画を観る時間があれば、それで十分リフレッシュできます。

故郷だからこそ感じられる、仕事の魅力と暮らしやすさ

Uターン就職ですが、栃木で働くことの魅力を教えてください。

東京の大学で過ごし、チェコへ留学した経験が、自分の故郷について深く考える大きなきっかけになりました。現地の友人たちは、自分の生まれた街の歴史や文化について、とても誇りを持って語るのです。それに比べて自分はどうだろう、と。栃木について聞かれても「東京の北側にあって…」くらいしか言えない自分が少しもどかしかった経験から、自分の故郷というものを強く意識するようになりました。
栃木には、都会のような派手さはないかもしれません。でも、関東平野に広がる田園風景や、身近に感じられる豊かな自然は、私にとってかけがえのない“原風景”です。生まれ育った場所で働いているという安心感は、何物にも代えがたいですね。それに、暮らしやすさという点でも大きなメリットを感じています。都心へは新幹線で1時間もかからず、それでいて生活コストは東京に比べて格段に低い。子育てもしやすい環境です。特に栃木は車社会なので、荷物が多くなりがちな子ども連れの移動が本当に楽ですね。

最後に、これから就職活動に臨む学生へのメッセージをお願いします。

栃木県は次世代型路面電車(LRT)が開業するなど、今まさに大きく変化しています。企業が本社機能を栃木県に移すといった動きも活発になりつつあります。働き方も場所を選ばない時代になり、そういう意味ではかなり注目度の高い地域です。都心に近く、自然も豊かで、住宅や生活のコストは都心に比べかなり低い。移り住む先として良い選択肢だと思います。
私の仕事で言えば、県民や読者にとても身近な存在として働ける、という実感があります。新聞社の仕事は職種が多いですが、それらが身近な人の生活を少しでも良くしていくことにつながる点に働きがいを感じます。コミュニティーの一員として働くという視点も持って就職活動をすると、選択肢が広がり、充実した就職活動になるのではないでしょうか。

日々、地域経済の最前線を追いかけながら、県民の生活に寄り添う情報を発信し続ける稲葉さん。その真摯な仕事への姿勢は、故郷・栃木への深い愛情に裏打ちされているようでした。仕事のやりがいを語る一方で、家庭では子育てを楽しむ父親の顔ものぞかせ、充実した日々を送っている様子が印象的でした。

株式会社下野新聞社 報道部 産業金融農業グループ Profile 稲葉 雄大(いなば ゆうだい)さん/30代
栃木県出身|栃木県在住
株式会社下野新聞社
報道部 産業金融農業グループ

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