長岡公園
そこは宇都宮市街からほど近い長岡町の
閑静な住宅地と人気の飲食店に隣接した場所に存在する。
しかしながら公園自体は土日でも混雑しておらず、車や機械的な音はそれほど聞こえないために
まるで田舎の山の中にいるかの様な気分を味わうことが出来る。
そこに秋の空気感も相まって、もの思いに耽るにはピッタリの場所でもある。
今日はどっぷりと浸りたいので少し遠回りをして、お気に入りの場所から入ることにしよう。
程なくして到着したのは大きな階段
秋の暖かい色に染まった景色が広がってくる。
橙色に染まるメタセコイア
まるでこの階段が、別の世界への入口になっているように感じる。
子供の頃に読んだ胸がときめく物語の数々を思い起こされる。これから何か特別な事が起きる…そんな予感がしてくるのだ。
舗装された左側と苔むした右側
このアシンメトリーさが
そういった気分を強くするのかもしれない。
ここはあえて苔側を登るとしよう。
時々ひょっこりと顔を出すキノコが可愛らしく挨拶をしている。
登り切ると眼の前に広がるのは
円型の広場
メタセコイアの木が規則的に周りを囲み
そこは落ち葉で彩られた秋のダンスフロア
今日は少し乙女チックになり過ぎている。
しかし、誰かに迷惑をかけさえしなければ
妄想するのは自由なのだ
特に秋は乙女心を全開にしても許される気がする。
風がひとたび吹けば
メタセコイアやモミジ、沢山の紅葉達がサワサワと踊りだす。
ふと見上げるとポッカリと見える青空
オレンジ色との対比がとても美しい。
足元には落ち葉の絨毯
何層にも重なる葉が踏むたびに”サクサク” という心地いい音を奏でる。
ふと見るとお散歩中の犬が
意気揚々と御主人様を引っ張っている。
心なしか落ち葉の感触を噛み締めているようにも見える。
この公園には長いローラー滑り台もある。
行先は最初の階段下
これに乗り、本日の物語は無事エピローグとしたいところだが
今日はあいにくのスカート
来年は滑りやすい服装で来よう。
そう心に決め、
公園を後にする。
秋はひとときの間、大人を少女へと変える季節
橙色に染まる長岡公園に赴き
自分の中に眠る懐かしい気持ちに浸る、そんな秋の楽しみ方はどうだろうか。
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