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佐野の看板を背負ってラーメンと地域の発展を支える

「まだまだ活動して会をけん引したい。ラーメンは地域の発展に貢献しているって自負していますから!」。勢いよく語るのは、「佐野らーめん会」4代目会長、谷津茂さん。自らの店舗で味を極めながら、佐野らーめんの普及とさらなる発展を目指して躍進中です。
今や佐野市の代名詞となっている佐野らーめん。1980年代に百貨店のイベントをきっかけに名を馳せ、以来ご当地ラーメンのトップランナーとして人気を保ち続けています。そのルーツは、大正時代に市内の洋食店で働いていた中国人が青竹で打った麺にあるといわれ、青竹で打った縮れの強い平麺と醤油味のスープの組み合わせが「佐野らーめん」として発展しました。佐野市を含む両毛地域が古くから小麦粉の名産地であったことや、「出流原弁天池」「宝生水」に代表される良質な水に恵まれたことも、おいしさと人気を後押ししています。
認知度が上がるにつれ、店舗は軒並み増加し、今では200近い店舗が佐野市内で軒を構えるほどになりました。スープの濃さや麺の太さなど、各店舗が個性を打ち出して差別化を図るなか、谷津さんがこだわり続けるのは、佐野らーめんの基本、麺打ちです。小麦粉を練って生地を作り、青竹に体重を乗せてのしていく……。これを続け、独特の食感を生み出します。「青竹を使うことで気泡が入り込んで、やわらかくのどごしがよい麺になるんです」。一見簡単そうですがかなりの重労働で、高齢や生産性を理由に手打ちをあきらめる人も多いのだとか。今は、1日6~12㎏(約50~100食分)を打つのが精いっぱいです。でも「佐野らーめんは、子どもの頃から身近にあった食。機械打ちの麺と比べ生産性はグンと落ちますが、体が続く限りこの伝統を守っていきたいですね」と、妥協は許さない姿勢です。
「佐野らーめん会」は、市内多くのラーメン店のなかから有志69店舗が集まり、普及を目的とした会です。主な活動としては、全国各地のイベントへの参加ですが、食品メーカーのご当地カップ麺の開発に携わったり、ときには震災時に現地にかけつけ、ラーメンをふるまうこともあります。「佐野らーめんの認知度は上がったとはいえ、関西エリアの催事に行くと『佐野ってどこ?』と聞かれたりします。まだまだですね。でも、最近は“さのまる”がいっしょにイベントに出向いてくれるから、佐野を知らない人にもアピールしやすい。認知もされやすいですね」。2013年にゆるキャラグランプリに輝いた佐野市のキャラクター、さのまるも会の活動を後押ししてくれると言います。
「行政(佐野市)と手を組んで活動できることで、活動の成果や可能性が大きくなりました。今後は、栃木県、さらに他県も巻き込んだ企画で、さらなる発展を目指したいですね」。佐野らーめんの未来へ向けて意気込みも十分です。
谷津 茂
やつ しげる
栃木市岩舟町生まれ。佐野市に隣接する町で育ったため、子どもの頃から佐野らーめんになじみがある。飲食店への勤務を経て28歳で独立し、佐野市内にらーめん店「佐野やつや」を立ち上げる。現在は子息のサポートも得ながら、業務を拡大。佐野らーめん会4代目会長としても活躍し、全国のイベントなどに積極的に参加する。
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